とりあえずメモ:

例えば、よく小林英雄氏や佐野眞一氏らの本に書いてある「俗説」、1960年代・70年代の日本の高度経済成長は、岸信介椎名悦三郎、そして佐橋滋のような「産業官僚」が満州において計画し実施しした事業をプロトタイプ、つまり「生体試験」として実現されたものだ、というアネクドットをことごとく否定するのだ。これは、本当に面白い。そもそも、満州における実現可能性のある「生産力拡充計画」など作成されなかったし、実施されたとしてもアドホックの極みであったし、実際の生産のパフォーマンスはあまりにレベルが低すぎるか、計画自体が実施されなかった。そのため、その成果を高度経済成長の「生体試験」などできようもないということを、当時の文献とデータを調べて事細かに実証しているのだ。本当に面白い。ここまで徹底的に反駁されて、まだ満州伝説を主張する人はいるのかね?

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