仕事中「帰納」と「演繹」という言葉につきあたって、はたと考え込んだ。以下はGOOの国語辞典から。

帰納(1)〔induction〕個々の特殊な事実や命題の集まりからそこに共通する性質や関係を取り出し、一般的な命題や法則を導き出すこと。⇔演繹(えんえき)(2)反切によって漢字の音を導き出すこと。

演繹(1)〔deduction〕諸前提から論理の規則にしたがって必然的に結論を導き出すこと。普通、一般的原理から特殊な原理や事実を導くことをいう。演繹的推理。⇔帰納

しかしカネゴンに馴染みがあったのは電気用語のインダクタンス(交流抵抗)の意味で、こっちの世界では「誘導」というニュアンスで使われることが多い。誘導と帰納がまだカネゴンの中で一つにならない。よりいっそうややこしいのが、数学的帰納法帰納法というのが間違いなく後者の意味(ひとりでに転がりだす、というような感じ)で使われていることだ。こちらは演繹の方が近いような気がする。カネゴンの中では「原理や法則から展開するのが演繹」と思っていたが、これがすでに勘違いなのだろうか。

さらにわからないのが、deductionには「演繹」のほかに、税務署でおなじみの「控除」とか「割引」の意味があるということだ。どうつながるのか。それともreduction(減少、割引)に由来しているのか。何とかがんばって結論を出してみたい。

説明が足りなかった。要するに、辞書の定義だけ読んでわかったような気になっていたが、もしかすると自分の理解にどこか勘違いが含まれているのではないかと思えたのだ。そうでなかったら、この言葉が日本に輸入された時点で意味が横にずれてしまったか。何にしろ、完全に納得するまではこの言葉は使えない。