ボコーダー(Vocoder)とは、数10Hz程度の周波数しか通らないような低品質の電線を多数束ねて、各電線にいろんな周波数を抽出した結果を割り当てて、その変化を電線から送信し、相手側でその信号でキャリア(搬送波)にフィルタをかけると、あら不思議、もとの声が再現できるというもの、と理解している。要するに、口の形がどう変わるかを伝えているだけで、声帯が出す音は受信側で勝手に割り当てていることになる。ちょうど、喉頭がんで声帯を切除した人が喉にチューブを押し込んで、チューブから音を吹き込むと(プーっと音が鳴る風船でもいい)、口の形を変えるだけでしゃべれるのと原理的には同じだと思う。実際にどちらも同じような音になるし。「イヤー オブ ザ ドラゴン」とか「サウスパーク」にもそんなキャラクターが出ていた。使うとバカになるという評判のトーキング モジュレーター(ベックがニューアルバムを出さないのはトーキング モジュレーターの使いすぎが原因だという噂があった)も、正しくボコーダーと同じ発音原理なのだということに書きながら気付いた。