ニュートラルで市川昆の「東京オリンピック」を見た。いろいろ噂は聞いていたけど見るのは初めて。何と言うか、ナチ映画「意思の勝利」の正反対を目指したのかな、と思ったりした。すごく逆ズリなカメラワーク。かっこよさとかそういうものを意図的に避けたのだろうか。邪推:「日本人もかっこよく描かない代わりに、どこの国の選手もかっこよく描かない」なんて。ラブホテルで流したら客が全員帰ってしまいそうなあたり、ちょっとだけヒカシューに通じるものは果たしてあるか。谷川俊太郎が脚本を手伝っていたらしい(クレジットに出ていた)が、その谷川俊太郎が「『東京オリンピック』にかかわっていたとき、選手村の選手がものも言わずにひたすら飯を食いつづけるシーンを見せられて、何だか生命の尊厳とかそういう言葉が出るより先に、すごくうんざりした気持ちにさせられた」とどっか(遊だった)で書いていた。