カネゴンは、「技術は、いつかはあまねくすべての人に行き渡る」という信念がある。おやっさんのアドバイスにより、そこに「ただし安っぽくなって」というのを追加する。

最初は一部の人のところにだけ、その技術がある。しかしそれがいつしか普及し、広がって、誰でも手に入れられるようになる。

ここで言う技術は、音楽でもコンピュータでも伝統芸能でも絵画でも格闘技でも犯罪でもすべてそうだ。どんな技術も、いつかはみんなのものになってしまう。犯罪の技術なんかは本当に極端で、誰かが新しい手口を思い付くと、梅毒よりも素早く、あっという間に国境を超えて世界中に広がるという現象を何度も見かける。ワインの入った紙袋をもってわざと旅行者にぶつかって弁償させるなんてのもそうだ。

伝わる速度に多少違いがあるものがあるし、オリジナルの凄さが広まったものに見出されることもめったにないが、しかし確実に伝わる。たまにグレイシー柔術みたいな現象も、もちろん起きる。ロシアでは長らくオンボロのコンピュータしか使えなかったために、異常に効率のいいアルゴリズム(算法)が開発されたりするようなことも起きる。