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先日、カネゴンの特撮師匠「黒の道化師」氏がこの日記を読んでくれていると風の便りに聞いた。まことありがたきことです(リンクは無関係なり)。
前にも書いたかもしれないが、カネゴンに特撮の深遠なる世界を手ほどきしてくれた師は、腰まで届く長髪で私生活は謎に包まれており、ほぼ草創期から夏冬コミケに参加し続けている古参であり、ゴジラのコレクションに関しては日本で3本の指に入る権威であり、シンセサイザー奏者にして大量のアナログシンセサイザーも集め、60年代の少年サンデーも漏れなく収集し、ヨーロピアンプログレと美少年にも精通する、まさに「一人ヒマラヤ山脈」である。特撮アニソンなどは師にとって初歩中の初歩。ほかにもどんな隠し球があるかわからないので油断は禁物なり【何人師匠がいるのだおれカネゴン】。
師は、彼と双壁のゴジラコレクターである銀英社の伊藤さんと会うたびに「アレを譲ってくれ」「アレをくれるなら考えてもいい」と火花散るやりとりを繰り返している由。二人のコレクションを合体させるとその場で日本一のゴジラ本が製作できてしまうと人の言う。一度仕事帰りにカネゴンとともに「まんだらけ」に寄ったとき、おもむろに手帖を取り出して、収集済みの少年サンデーのバックナンバーと書棚とつき合わせてにらめっこし、てきぱきと購入する姿にカネゴン瞠目す。
師の持論は「商売というものを知りたかったら同人誌を作ってコミケで売るに限る」。原価計算、価格設定、何部印刷してどのぐらい売れればもとが取れるか、広告、収益の分配、など商取引のすべてが凝縮されていることは間違いなく、一般的なイメージとは逆にノリ一発で作れるものではない。国税庁もコミケを狙い撃ちする昨今である。
師の父はかなり早くに税務署を退職して鉄道模型屋(すべて手作り)を開業し、その道では知らぬ者がないという。模型屋(すなわち師の実家)は京王線沿いの住宅地の実にわかりにくい場所にあるのだが、マニアはどこをどうしてかわからないがたどり着くのだそうだ。幼少期にプラモを買ってもらっても父に全部作られてしまうのがいやだったらしい。特撮界のサラブレッド。
昨年10月の「あけてくれ」ライブ客入れでかけた音源は師から提供していただいたものである。この場を借りて深く感謝いたす。アーメン。