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久しぶりに山形浩生ページに更新があった。恋愛の超克と相対主義本の書評。前者と同じ著者の「もてない男」はかつて楽しく読ませてもらった。
カネゴン足りない頭で何となく思うのだが、山形氏のように頭のよい人たちは、昔のように「何とか主義」を絶対的に信奉することができないことについて悩んでいるような気がしてならない。今更流行の主義主張にのって騒ぐのも恥ずかしいし、さりとて昔にあった主義で使い物になりそうなのがあるわけでもない、というところだろうか。頭の良さが、基本的にその人たちの足元を切り崩す方向に使われてはいても、切り崩した後に何か別のものを打ち立てるわけにもいかず、それが悩みとなっているような。そういう人たちにとっては、イスラムのような「絶対帰依」ができる人がある種うらやましく見えるのでは。「絶対帰依」には「さしあたって個人的な悩みは消える」という見逃せない効果があることは間違いない【川内康範主義もどうかと思うおれカネゴン】。
ゴスペルで「Lean on Me」(私を頼れ)という曲があるらしい(聞いたことはないけど)。頼る相手をことごとく葬ってしまった後では、果たして何に頼ればよいのやら。時にはこっそり甘えたりはしゃいだりしたいこともあるだろう。カネゴンの知る限りでも、社会的にしっかりした人は、意外にプライベートでは子供のようになる傾向があったりするようだ。カネゴンは普段の詰めが甘い分、いざ甘えるとなると大根役者になってしまう甘え下手なり。読書猿は、その辺の悩みを自力で克服したように見える。