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ベクトル話が、ついに無限次元空間に突入。と書くと偉そうなのだが、何のことはない、国語算数理科社会英語を、それぞれ(線形)独立した変数と見なせば、これも立派な5次元ベクトルなのだそうだ。変数を増やせばいくらでも次元を拡張でき、しかも直交性や線形独立性もちゃんと保たれる(ように作ってある)。やっと一つ、神秘が地上に降りてきた。
カネゴンは卵(小学生)の頃、「謎だらけの四次元」と「超能力は実在する」みたいな本を買って、カネゴン父に目の前で破かれてしまったことがあった。その上「超能力はインチキだ!」という解説記事がある科学読み物まで買ってくれるという念の入りようである【まともな父ではないかおれカネゴン】。その本もすごく面白かったからよいようなものの。しかし後者はともかく、前者は意外に数学っぽい内容で、今思っても捨てるには惜しい内容であった。なお、おやっさんも「ムー」を破かれたつらい過去があったという。
特に、「謎だらけの四次元」に収録されていた細井雄二(石森プロ)のマンガ「ウラシマ効果」は、あらすじこそ博士と助手が一人の女性をめぐって争うたあいもない話だが、そこで相手との年齢を釣り合わせるためにウラシマ効果が使用され、そのしくみをローレンツ変換バリバリで解説していて、吹き出しが凶悪な数式で埋まりまくるという前代未聞の、カネゴンが知る限り地上で最も難解なマンガに仕上がった怪作であった。この、理数系の学生でないと理解しようがないしろものをナマで子供に読ませるというチャレンジングなマンガを今読んでみたいものだ。ここには書かないがオチもよかった。