increase という言葉は、「増大する」とか「増加する」とは訳されるが、「増分する」とは普通訳されない。increment はコンピューター業界では「増分」と訳されるが(インクリメントとそのまんま使われることもある)、やはり名詞ではあっても動詞であるという感覚が湧きにくい。ところが、先日仕事で「増分する」という言葉を見かけてしまい、ものすごく違和感を持ったが、名詞の「増分」と折り合わせようとした結果なのだろう。いずれ通用してしまうようになるであろうと予言しておく。

これと同じ違和感が「微分する」と「積分する」という言葉にもある。integralという言葉は、積算電力計の「積算する」の方がはるかにしっくりくるような気がするのはカネゴンの身勝手なのだろう。「積算する」の方が「算」という言葉があるので「操作」(operation)であることがきちんと強調されてよいと思うのだが。しかし微分となるとそうもいかない。differentialに「算」という言葉を使って、しかも「積算」と対になる言葉を当てるとなると、果して何が適当なのだろうか。「微算」? もう一つしっくり来ない。車の部品に不可欠な「差動歯車」(differential gear)の「差動」という言葉が、differential の本来の意味からのずれが少ないような気がするのだが、これも「差動する」と動詞にするとなるとためらいがあるし、何より「算」を使っていない。かといって、「差算」などとすると単なる引き算のように見えてしまう。うまくいかないものだ【何だか雑記草のようじゃのおれカネゴン】。

微分という操作について、カネゴンは「関数のグラフという波の上でサーフボードに腹ばいになり、そのときの頭への血の昇り方の逆数」という、わざわざややこしくしてしまったイメージを抱いている。接線=サーフボードという安易な連想なり。傾きの増加と減少は、こういう状態の方が体感し易いとはいえ、カネゴン小学生並である。南無阿弥陀仏