ロード・オブ・ザ・リング」を見た。可愛げがないほどのあまりの隙のなさに、剣と魔法の世界が今や「完成度を高める」以外にもう努力の余地が残されていないことを痛感。エルフ役の口が横に大きい男がどこかで見たことがあると思ったら、「マトリックス」のエージェント・スミス役のおっさんだったことに突然後から気付く。ここはイギリスではなくアメリカであるという事実を突きつけられ、痛い。

ダンジョンのシーンを見ていて、「河童の三平(ただし漫画の方)」を連想させるシーンが多数登場。「河童の三平」は「指輪」と並んでもう一つのRPGの中興の祖とも言える存在であることは水木ファンならご存知のとおりなのだけど、ここまでそっくりとは。本人も二度と描けないところを見ると、大国主命あたりから八犬伝または中国の伝説を伝授された可能性が高い。水木しげるが描く「家獣」を始めとする一見不思議な建造物の大半が、中国雲南あたりの地方の民家そのまんまであることは夙に知られているので、十分ありえる話。

なお水木しげるは某雑誌で「ぼくの後ろに大国主命がいて、ぼくを常にキックして働かそうとするんです。しかも複数いるんです」と語っていたことあり。