153億年前の銀河。こういう観測で大変そうなのは、波長はドップラー効果で伸びきってしまっているのに、そこから元素などののスペクトルを推定しないといけないというところかもしれない。具体的にどうやってやるのかは詳しくは知らないけど、確かナトリウムが出す「D線」はものすごく細く、しかもスペクトルの中で目立つという(だからトンネルの中で使われているナトリウムランプは物の形が異様にくっきり見える)話を何かで読んだことがあるので、目立つD線がどのぐらいずれているかを指標にして他の波長がどのぐらいずれているかを推測しているのではないかと何となく思ったりする。

楽器の場合はこうはいかない。回転数を変えて再生すると、倍音構成(ハーモニクス)が変わってしまうので、違う楽器みたいになってしまう。人間の声の場合は特に倍音構成が命というかそれ自体が情報なので、倍速で再生してドナルドダックボイスみたいになってしまうと、元が誰の声なのかまったくわからなくなってしまう。