高橋和己の「邪宗門」を読んだのは、いしいひさいち「バイトくん」でネタにされていたのを見たのがきっかけ。バイトくんが本屋の店頭で来る日も来る日も邪宗門を立ち読みしつづけ、いよいよ読み終わるときに店主が怒って本を隠してしまうという話。

そんなに面白いのかと思って読み始めてみると、前半3分の2は陰々滅々とした話が続き、このままではどうなってしまうのかと思ったところで、主人公が教祖になっていきなり国家と大戦争を始めてしまう。そこから先の展開があまりにすっとこどっこいかつ痛快で、カネゴンは笑い転げながら読んでしまった。よくは知らないけど高橋和己は小松左京と親友だったらしく、当時の日本SFが得意としていたカタストロフィものから露骨に影響されていたのかもしれないと今になってみて思う。カネゴンうる星やつらにはまっていたのも、正統なカタストロフィものの後継として読んでいたからということにしておこう。実際、6巻より後ののんびりした展開はあんまり好きになれなかった【何を今更おれカネゴン】。