映画欠席裁判」、どこの本屋でも売り切れ。だいたい見た内容なので急ぐことはないと思いたいけど、洋泉社の本はすぐ絶版になるので困ってしまう。

この本の元になった「地獄のアメリカ観光」で町山さん自ら書いていた、最も印象的な文(相当うろ覚え)。デリケートな話だけどあまりに印象的なので引用させてください。:

町山さんが宝島編集時代、根本敬の「人生解毒波止場」という極めて毒性の強い本の編集をしていたときのこと。この本に登場する電波喫茶に初めて潜入取材したときに、取材のことは関係者以外には絶対極秘のはずなのに、そこのママが突然「ここにスパイがいる!そいつは宝島社の奴で韓国人だ」と金切り声を上げ、全部当たりだったので町山さんが死ぬほど焦ったという話。

カネゴンにとって、おカルトっぽい現象というのはこういう何とも哀愁漂う形で現れたもののみが本物だと思う。こういう現象があっても全然不思議とは思わないけれど【そうかやっぱりおれカネゴン】、まず間違いなく、神秘は人間にとって都合のよい現れ方はしない。上のエピソードはカネゴンにそのことを痛感させ、カネゴンの世界観【はた迷惑よのおれカネゴン】に激しく影響してしまった。

長くなるので書かないけど、同じく「人生解毒波止場」のあとがきに書かれている、電波喫茶でのある不可思議な出来事についての根本敬の独白はさらにものすごい。時空を越えたすさまじい言葉に、カネゴンは七言絶句するのみ。その割に、カネゴンはちっともおカルトな現象に出くわさない。よく考えたら本当にラッキーなことだと思う。いちいち何か見えてしまっていたらまともな生活はできない【聞こえているのはおれカネゴン】。