だいぶ前にカネゴンが人体解剖図鑑みたいな本を読んだとき、小腸にはりめぐらされているリンパ管(吸収した脂肪がここを流れる)の先が、肝臓の近くにある血管に「ひょい」とつながれてしまっていることにびっくりしてしまった。こんなことではいつ血液が逆流してしまっても不思議ではない。言ってしまうのは気が引けるけど、人体がこんな手抜き工事っぽいつくりになっているとは思ってもみなかった。

他にも、人間の眼球の底にある網膜では、神経がわざわざ網膜の前を通過して配線されるという意味不明のハックが行なわれていると何かで読んだ。一方、イカの網膜はちゃんと合理的に網膜の裏側で配線されているのだそうだ。

以前も日記に書いたけど、「新しい生物の教科書」という本で「生命にとっては単純化を目指すよりも、複雑になる方が(安易だが)楽だ」とあったのを思わせる。この本は生物学としてはいろいろ問題があるらしいけど、読んでいて刺激になったことは間違いない。