初めて買った結城さんの本は「C言語プログラミングレッスン」三部作。これほどまでに労を惜しまずに丁寧に書かれた技術書というのは当時カネゴンにとって驚異。今でこそ「マスタリングTCP/IP」などのように丁寧に書かれた本は増えてきたけれど、これまた名著の近藤嘉雪「Cプログラマのためのアルゴリズムとデータ構造」と並んで、おそらく結城さんの著作自体が技術本のデザインパターンというか文章作法として広まってきたのではないかと勝手に想像している。

その一方で「計算機プログラムの構造と解釈」のようにカネゴンの歯が折れそうなぐらいハードで玄米食油そば並に消化の遅い名著もある【そろそろ歯医者におれカネゴン】。役割が違うといえばそれまでだけど、読んでみてあからさまな直訳にちょっと驚いた。こういう本を読む人にとっては、英文のニュアンスをむしろ色濃く残す方がありがたいのかもしれないと思い、所変われば品変わることを痛感。