ノーベル経済学賞の内容。要するに「経済学的人間はネズミ男のように合理的に行動する」という前提には問題があるということか。既にいろんな学問分野でこれに近い成果が出ていたりする。

  • ゲーム理論を裏付けるための行動心理学か何かで、人間は「自分の分け前を少しもらえる代わりに相手の不正を見逃す」より、「自分の取り分を失ってでも不正な相手の取り分を失わせる」ことを選ぶことが極めて多かったとのこと。
  • 精神医学で、ある病名が発表されて知れ渡ると、逆に今までほとんどなかったその病気を訴える者が続出する「病気が流行を後追いする現象」。ここまで来ると人災としか言いようがなさそう。
  • オンラインショッピングでも現実の買いものでもそうだけど、「そこが安くて良いから行く/アクセスする」よりも、「行き慣れた場所にこれまでどおり行き続ける」方が動機として大きかったりする。こんなふうにいかにも非線形かつフィードバックしまくりな多体問題っぽい雰囲気が根幹に漂うと、どこから手を付けていいのかと途方に暮れてしまいそう。ましてやマスコミの影響がフィードバックされたらもうきりがない。その分学問に楽しみがまだまだ残されているとも言えるわけで、将来に期待。