近所の繁華街の片隅に、昭和30年代創業とおぼしき古風な本屋がぽつんとあり、中に入ってみると薄暗いその本屋のすぐ奥にもう一軒別の本屋が隣接していて (古さも同じぐらい)、驚かされる。それぞれ屋号も違うし、置いてある本が明らかに重複している。横ならともかく、本屋の奥に別の本屋があるというのは前代未聞。

カネゴンは奥の店で映画秘宝子供の科学を買いながら、店のおばちゃんにそっと理由を尋ねてみたところ「昔はうちしかなかったんだけど、だんだん追いやられてきてね」とのこと。同人ものが売上の主力らしい。

その奥の本屋の奥にはまた別の薄暗い出口があり、別の雑居ビルの隙間を抜ける怪しい小道につながっていたので、会計が終わってからあえてそっちから出る。倉庫だか元店舗だかわからないガラス張りの部屋(中は真っ暗)に、頼山陽川中島がびっしりと書き付けてあって、少しびびる。その廊下はさらに薄暗く、ビルの中なのに天井があったりなかったり、トワイライトゾーン感覚にあふれ、何だかウルトラQに入り込んだような心持ち【そこから来たとはおれカネゴン】。外に出ると、来たときと同じくきれいに晴れ上がった午後の空で、もし振り返ったらもう出口がないかもしれないと思って足早に立ち去る。