平野敬一「マザー・グースの唄」は、初版が1972年で現在42版を数えるロングセラーで、噂どおり面白い。アメリカ英語背景辞典と合わせて読むとまたひとしお(実際内容がわずかにかぶっている)。最初にマザー・グースを訳した北原白秋は英語があまり得意でなく、誤訳が多かったとの記述も。カネゴンは、日本におけるこういう親が嫌な顔をしそうな小唄を「はだしのゲン」でいっぱい覚えたような気がする【ジャンジャンジャガイモおれカネゴン】。

同書によると、この種の童謡には、ユダヤ人やウェールズ人を露骨に馬鹿にしている唄もあって、現代の米国では出版時に改定されてしまっているものもあり、しかもそういう唄に限っていつまでも唄いつがれるとのこと。子供はこういうことに容赦ないことを痛感。あの雁屋哲も、子供の頃に股関節の病気で入院した後に足の長さが10センチも違ってしまったことがあり、松葉杖をついて学校に通うと当然のようにいじめぬかれたと某所のショートインタビューで語っていた。「子供は、足の悪いものに絶対に容赦しない」。それまでは、馬鹿野郎と言われただけで泣いてしまうような子だったのだけど、松葉杖を奪われたら歩けなくなるという恐怖から必死で立ち向かったらたまたま腕力があることに気付き、以後高校まではケンカするのが楽しみで学校に通っていたとのこと。このエピソードは美味しんぼのある回でそれとなく引用されている。