■
なつかしの「ダフニスとクロエ」。1曲目のオープニングはもう反射的に涙がこぼれてしまう。随分後になって本物のオーケストラのCDを聴いたらひどく物足りなく感じてしまい、冨田のシンセが本物を超えたと思わずにいられなかった【そんな比較はおれカネゴン】。
確かこのアルバムでは冨田勲が初めてデジタルシーケンサー(それまではアナログシーケンサー)を導入していて、当時のインタビューで「ちょうど、それまで手編みで竹細工を作っていたのを機械編みに切り替えたようなもので、デジタルシーケンサーではどうも手つくりの味わいが失われますね」と語っていた。気の狂いそうなぐらいに時間をかけて作る冨田勲ならではの、実に微妙な差異。
当時のアナログシーケンサーは、使っているうちに温度や電圧の変動などで、だんだん音程が微妙に狂ってくるものだったらしい(冨田勲によると「それがまたいい感じになるんです」とのこと)。当時のシンセサイザー自体もアナログだったので、スイッチを入れてから数分待って温度や電圧が安定するまでは音程が揺れまくり、チューニングも行えなかった【薀蓄どまりのおれカネゴン】。つわもののアナログシンセ自作派も、さすがにVCOを自作するのは大変だったらしく(調整が面倒なため)、シンセの回路をどっさり掲載していた「エフェクター自作&操作術」という本にも「VCOだけは買った方がいいかもしれない」と書いてあった。