おそらく熱演が逆に災いしてしまったのだろうけど、少なくともヤマトタケシは本来は自分のことしか考えない典型的な現代っ子として描き出されるはずだったとカネゴン信じている【今日も貴様はおれカネゴン】。作品のそこここにその片鱗が見てとれる。今新たに作るとしたら話し方が直る前の窪塚洋介がヤマトタケシ役にふさわしいのかもしれない。

窪塚のような人物が、ある日突然否応なしに正義の味方とならざるを得なくなり、洒落にならない戦いと現実の政治に巻き込まれたらどのようなことになるか。しかも本当のことを話せば話すほど陰謀論に頭をやられたかわいそうな人のようになってしまうがために、他人に話すことはできない。最近のスパイダーマンのようなのんきな展開になるはずもない。