当然ながらISDNなどのデジタル回線ではもうこの手は使えないのだけど、以前何かで、プッシュホンのトーンを歌で再現して電話をかける双子の女の子というのが米国にいるという三文記事を読んだことがあった。音程の悪いカネゴンにはできない技。

プッシュホンのトーンは、楽器のエフェクターとして有名なリングモジュレータで生成する。ボタンの縦軸と横軸に、それぞれ異なる周波数のサイン波が割り当てられていて、ボタンを押すと、2種類のサイン波をリングモジュレータで変調した音(2つの音の和と差の合成)が生成される。プッシュホンにはリングモジュレータ専用の小さなICが搭載されていて、型番を思い出せないけどTiのLC777とかそんな感じだったと思う(調べたらLM565だった)。

このICを使って楽器用のリングモジュレータを冗談で製作する記事がロッキンfに掲載されたことがあり、カネゴンも高校生の頃に一度作ってみたことがあった。本来のリングモジュレータは、4つのダイオードを文字通り輪になるように接続するというものなのだけど、ノイズを打ち消すための調整が非常に面倒くさいらしいので、ICの方が楽だとのこと。

30分ほどで完成し、駆け落ちした知人に1万円で売りつけられたギターを接続。原音と完全にかけ離れた音になるのがかなり面白かったけど、音程はめちゃくちゃになるので曲を演奏するのは無理とわかる。ハーモニクスを弾くと鐘の音みたいになったりした。製作費は500円ぐらい。

後にキングクリムゾンの名作海賊版「アースバウンド」(asin:B00006JJDF)の復刻版を聴いたとき、最後の曲「グルーン」は曲全体をVCS3というシンセサイザーに通したと解説に書いてあったのだけど、聴いてみたらもろにリングモジュレータによる変調だった。