ところで、「すべての人間が完全に論理だけをベースにものを考えたらどんなにいいだろう」と夢想する人はカネゴンが考える以上にたくさんいるみたいなのだけど、もし人類が何かのはずみで一夜のうちに一人残らずそうなったらどんなふうになるだろうか【無駄な時間のおれカネゴン】。

  • 自分が生きるということの論理的必然性がどこにもないことを察して腹かっさばいて果てる。
  • 他人が生きるということの論理的必然性がどこにもないことを察して、わずかに残った親切心から殺戮して回り、自分も自爆して果てる。
  • 地球上の場所とリソースを空けるために皆喉かっさばいて果てようとするも全員で同時にそれをやったらまずいことに気付いて止めることを繰り返し、結論が安定せずに振動してしまうことを悲観して揃って身を投げる。
  • 地球の生命圏がダイナミックにうごめき安定しないのが気持ち悪くてたまらず、親切心から惑星まるごと徹底的な消毒に取り掛かり、この世を涅槃化する。
  • 論理には動機Aと行動Bをつなげる力はあっても動機Aそれ自体を支える力がないために、非合理的な動機Aがことごとく消滅することによって何一つ結論を導き出せなくなり、全員だるまさんが転んだみたいにぴたりと動かなくなる。