それはそうと、既得権益を巧妙にこそげ落とす方法をカネゴンが代わりに考えて見ます【地球が危ないおれカネゴン】。

  • 二十歳になったら、人生で一度だけ行使することのできる、ジョーカーのごときカードを配布する。そのカードを使って、自分の目上の者を無条件でひきずりおろし、自分がその目上の座につくことができる。目上の者はこれに逆らうことはできず、同じ地位には二度と就けないものとする。


たったこれだけで、社会がたちまちダイナミックに賑わい、資本主義の最大の欠点がさっぱりと解消され、雇用の流動性が一気に高まり、目上の者は目下の者の恨みを買わないために全力を尽くすようになる。そして、権利を行使されることを嫌うほとんどの人が最下層に自ら甘んじるので、奴隷に向いたほとんどの人類が自動的にそれにふさわしい地位を喜んで受け入れることになる【どさくさ紛れのおれカネゴン】。

欠点があるとすれば、社会がダイナミックになりすぎてますます温暖化が進むことかもしれない。

このインフラを整備するための金はほとんどかからない。そしてゲーム性が極めて高いので、ただ同然で射幸心のようなものを煽りまくれる。たとえ権利を行使せずに手元に死蔵しているだけでも、何だか一財産握ったような気持ちにさせられること請け合い。国庫にやさしい元手要らずの福祉にもなる。

カードを使えるのは一度だけだけど、カードを使われる方は運が悪いか人徳が薄いと複数回ありえる【貴様の運命おれカネゴン】。権利の悪用とカードの偽造を避けるために、行使した者が証としておでこに入墨を入れることにすればマッチベター。

無尽蔵にある権利より、有限回数の権利の方がいかにも権利らしいような気がするのだけど、カネゴン弁護士会に怒られるだろうか【バケツ両手におれカネゴン】。たった一回しか使えないとなれば、どんな人であろうと俄然慎重に考えるのではないかしら。ちっぽけな恨みとかで軽率に上司をひきずりおろしたりする人は案外少なく、自分がその座につかなければ自分も他人も不幸になると確信できるときに限ってこの権利が行使されることがほとんどだと思う。

どうか経済と統計とゲーム理論に詳しい人によるシミュレーション求む。カネゴンはこの方法に欠点を見出せません【曇った眼鏡のおれカネゴン】。