リリー・フランキーの文章を初めて読んだのは確か危ない一号という雑誌。オタクをクラブに集めてDJをやるという、誰に頼まれたわけでもない企画を一人で黙々と実行していて、だらしなくも面倒見のよさそうな人という印象。
その後は初期の映画秘宝にもときどき書いていたのだけど、リリーさんが「子連れ狼」をネタにした回の次号あたりで、時代劇好きな他のライターたちの文章を読むと、どうもリリーさんが子連れ狼をネタにしたことで腹を立てているような按配だった。そのせいかどうかどうかはわからないけど、締め切りをおびやかすこともたびたびあったらしく、以後リリーさんは映画秘宝とは疎遠になっていった。たぶん単純にメジャーな仕事が増えたせいなのだと思う。