その「風雲児たち」で、松平家の名君にして徳川家第二代将軍秀忠の隠し子でもあった保科正之という人物のことを初めて知る。徳川吉宗はこの保科に心酔し、吉宗の行った政策のほとんどは保科が既に行ったものばかりだったとか。リンク先を見ると、日本で最初に国民年金制度を制定したとまである。
カネゴンが見たところ、この保科の最大最強の能力とは「他の人たちが後生大事に守っているものごとを大事にしない能力」ではないかと思う。ほとんどの人間は、放っておけば周りに合わせ、伝統を守って保守的に生きるものだと思うのだけど、その中にあってこういう人物がよいタイミングで伝統を軽んじることで活性化される。時代も職業も違うけど、たとえば諸星大二郎が同様に「他の人が無意識に大事にしているものをあっさりと軽んじる」ことをしているような気がする。
かといって、他の人が皆保科のように行動してしまうと世の中がアナーキーでパッパラッパーな状態になってしまう。こういう人物は一万人に一人もいれば十分なので、それ以外の普通の人々は「チャングムの誓い」に登場する脇役たちのように、古いしきたりや既得権を守ることに血道を上げ革新者を引きずり下ろそうとするのが正しい姿だと思う。慌てて書いたのでまだうまくまとまらず【三歩歩けばおれカネゴン】。