カネゴンの知る限りでは、古今東西で最も「科学の徒」にふさわしい人物といえばたぶん大村益次郎に尽きる。
カネゴンが漫喫で読んだ風雲児たちのみを資料とする限りでは、大村益次郎は「絶対に本当のことしか言わない」人物であったらしい。まるで白雪姫の継母が所有する鏡のように、さくさく淡々ずばずばと本当のことを言う。その徹底ぶりたるや、某バルカン人の比ではない。

この上野戦争の軍議で薩摩の海江田信義と対立、西郷が仲介に入る場面があった。この席上で大村が発した「君はいくさを知らぬ」の一言に、海江田信義が尋常ではない怒りを見せたこと等が、海江田による大村暗殺関与説の根拠となっている。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E6%9D%91%E7%9B%8A%E6%AC%A1%E9%83%8E#.E6.88.8A.E8.BE.B0.E6.88.A6.E4.BA.89

この「君はいくさを知らぬ」という発言も、きっと中傷でも讒謗でも軽蔑でもなく、そして何の悪気も悪意も茶目っ気もいたずら心もなく、単に「それが事実だから言ったまで」なのだろうと思う。そして相手の海江田某がそのことで怒り狂ったのも、それがずばり本当のことであり、大命中の図星金星のラッキーストライククリティカルヒットだったからなのだろうとカネゴン想像。
ああ大村益次郎ほど科学の徒と呼ぶにふさわしい人物が他にいるだろうか【ふさわしからぬおれカネゴン】。「本当のこと」ほど言われた相手を怒り狂わせ、第三者にとっては(言った本人にとっても期せずして)最も上質のギャグになりうるものは他にカネゴン思いつきません。