あまり知られていないみたいなのですが、Windows の起動音は、昨日頭を回っていたブライアン・イーノが担当している。誰その人?と言われると返答に困るが、環境音楽の総本山みたいになってしまった人で、ロキシー・ミュージック出身。20年ほど前は、アングラ文化人の間で絶大な人気があった(理由は不明)。要はシンセで変な音を出すのがお仕事な人。一部では読み違いで「エノ」と呼ばれていた。エイドリアン・ブリューも最初は「ビリュー」と表記されていたように。

とにかく、Windowsの起動音は、JRのやかましい発着音など目ではない、究極に世界中に浸透した音楽作品(?)かも。何十億という人々が否応なしに聞かされる、誰がこんな事態を想像しただろう。Windowsの値段にイーノのロイヤリティが含まれていたら大変な額になるだろう。しかもその音楽は、どんなに知られていても、誰一人として歌えない(歌えるわけない)のだ。Windows の起動音を音声模写できたら宴会でウケるかも。

さて、今私の目の前になぜかある「Money 2000」の起動音は、100%間違いなく「Fripp & Eno」の音の孫引きサンプリング。昨日頭を回っていたのはそのせいだったのか。先生のギターは巧妙に削除されている(ような気がする)。

昨今のハリウッド映画につきものの「ズゴー!グワー!」という低音、ああいう音を最初に聞いたのは、デビッド・リンチに好き放題やられた「Dune - 砂の惑星」だったような気がする(裏付けなし)。この映画のサントラもイーノだった。当時は「イーノにサントラなんかできるんだろうか」(=テキトーにシンセを弾いて回りをケムに巻く人)と思っていたが、映画館で聞いて驚いた。今やあのサウンドもどこにでも転がっているものになってしまった。一度もトップを取らないのにトータルで見たら大勝ちしているUNOを見ているような気分。