何だかカネゴン最近の内容が天声人語じみていないだろうか。反省。

小池一夫/芳谷圭児(フジオプロ出身!)の「カニバケツ」という成人漫画が小学校のときに激烈に流行った。古本屋で目にしたら一度手にとっていただきたい。検索したが今ひとつよい絵がない。残念。

カネゴン的には、精神的筆おろし漫画としては「俺の空」より遥かに好みに合っていた。例によって強引なストーリー展開なのだが、今となってはそこが(ナンパの描写として)かえって現実感がありそうに思える。緻密に論理的に展開されるナンパというものがもしあったら、それこそ笑止千万であるような気がしてきた。

以前NHKの動物番組か何かで、孔雀が羽を広げて雌を誘うという行動について説明していた若い動物学者が、知的りりしさにあふれるJ指数=140に到達しそうないでたちだったが、彼が研究室の書斎で壁一面にずらりと並ぶ本をバックに深々とソファに座り、くつろいだ姿で孔雀の求愛について語るのを見ていると、まるで後ろの本が「孔雀の羽のパロディ」であるかのように見えてきた。何だか、とてもよいものを見たような心持。果たして「教養」の正体は孔雀の羽なのかどうか。