カネゴンが愛して止まない読書猿は、最近とみに刊行ペースが落ちているが、考えてみれば読書猿のテーマは「本なんか読まずに済めば、それに越したことはない」というものなのだから、ペースが落ちて当然。遠からず終ってしまうのではないかという気がする。その読書猿によれば、ソビエト連邦憲法には「加盟国はいつでも連邦を脱退できる自由がある」というものすごいことが書いてあるのだそうだ。憲法それ自体に時限爆弾のように崩壊装置が仕込まれているとは。読書猿のテーマにもそれに似たものを感じる。

ともあれ、カネゴンのような日記おしゃべりは、読書猿を読むたびに何だか恥じ入ってしまう。「学問は[こうするとこうなる]ということは言えるが、人に向かって[こうしろ]などと言うものではない」という言葉にはカネゴン共鳴することしきり。