CDにも価格破壊の波。考えてみれば、よくも皆これまでおとなしく専門書並みの値段でレコードやCDを買っていたものだ。いかにレコード会社が貪っていたかがよくわかる。大手新聞社が蛇蠍の如く恐れあらゆる反対キャンペーンで対抗している「再販価格維持制度の廃止」も時間の問題と思われる。

知っている限り最初のおおっぴらなインディーズは、70年代「スロビング グリッスル」という実験音楽(割と退屈)を出していたバンドが、流通をもコントロールしようとしてやっていたものだった。売上が少なかったので相手にも問題にもされなかったらしき。その後だいぶたってからのインディーズブームも、メジャーを脅かすような売上ではなかったためかお目こぼしされていた。しかし、流通が変わるだけで歴然と値段が変わることがバレ始めた。ネット通販そのものより彼らが恐れるのは、異なる流通経路が開発されて皆がそちらに雪崩のように押しかけることだ。最早彼らの愛想笑いも強張り、露骨に不機嫌な顔をしはじめるであろう。