今月の日経サイエンスで、「パラジウム多層膜に重水素ガスを通すと、膜表面のストロンチウムモリブデンに変わるなどの『元素変換』が通常より遥かに低いエネルギーで起きてしまった」という記事があった。すぐさま思い出されるのは、晩年に元素変換を研究中に亡くなった桜沢如一の本(オカルトマニア必携)。それによると「カニは成長して脱皮するときに、周囲にほとんどカルシウムがないにもかかわらず脱皮の後見事な甲羅を形作る。これは海中のナトリウムを元素変換しなければこれほど大量のカルシウムを得ることはできない」と直感したのだという。本の内容の正当性はともかく、これについてはかなり印象に残っている。意外に元素変換は鼻歌気分で身近に行われているとしたら楽しい【責任取れよおれカネゴン】。一方まっとうな説明についても知りたい。海洋生物学ではどのように説明されているのだろう。