カネゴンオバケのQ太郎並に犬が怖い。正確には、犬が吠えるのが怖い。犬そのものは嫌いではないし、むしろ好きな部類に入ると思うのだけど、鎖につながれていない、体格のいい犬のドスの効いた吠え声を聞くとあっという間に平常心を失ってしまう。

カネゴンが卵(幼稚園)の頃、住んでいたマンションの1Fの庭に飼われていた獰猛な犬がいた。カネゴンは無分別にも上から小石を落としたりして、常に犬を怒らせていた。ある日外から帰ってきて、マンションの階段を上ってからふと後ろを振り向くと、その犬が後ろにいた。しかも鎖につながれていない。プリンスメロンのように真っ青になったカネゴンが、そおっと階段を上ろうとしたところ、途端に「ウワンワンワンワン」とこっちに向かってきた。その後どうやってやりすごしたのかよく覚えていないが、あれ以来犬の吠え声がトラウマとして結晶化し今日に至る。