例の「間違いだらけの物理概念」(丸善)に、「E=mc2は現在では正しくない」という文が載っていた。一瞬、よく掲示板で見かける「相対論は間違っている」かと思いきやそうではなく、今なら「E0=mc2」と書く方が現状に合っているということらしい。E0とは「静止エネルギー」で、単なるEとほとんど違わないようにしか見えないところがポイント。上記の式は基本的に特殊相対性理論(つまり加速のない世界)でしか通用しないもので、加速を考慮する一般相対性理論になると、この式を単純に適用するわけにはいかないらしい。

もっと驚いたのは、カネゴンが小学校のときに読んでた適当な本はおろか、その辺のSFにすら「光速近くにまで加速されると質量が増大する」とびしばし書かれているのに、そのことはとっくの昔に否定されているという記述。現在では、質量mは加速のあるなしにかかわらず不変で、変わるのはエネルギーの方(ベクトルなので)なのだそうだ。ローレンツか誰かがmに添字0をつけてm0(静止質量)と表してしまったために、「静止していないときは質量が変わってしまうのか」と思わせてしまったのを未だに引きずっているだけなのだそうだ。むしろ「加速によって変わらないのが質量」だったりするみたい。著者によると、相当立派な物理学の教科書でもこの辺をぞんざいに扱っていて、まぎらわしい「静止質量」という言葉が使われていると嘆いていた(さすがに最近の本では減っているらしい)。相対論には恐そうな人が多そうなのでカネゴンこの辺にしておきます。