こだわりアカデミーの新作は「進化を実験する」。思わずヒデキ指数がもらい泣き。

タイトルに据えられた「個体の能力よりも、周囲との相性の方が生き残りにおいて重要」という言葉が痛快。キリスト教関係者からフォローの一言があってもいいかもしれない。

しかも:

大腸菌は、自分が生き残るためにグルタミンをつくっていますから、いわば利己的です。しかし、完全に利己的になるというのは難しいようで、たくさんのグルタミンをつくっても、取りこぼしたり、漏らしてしまうような大腸菌も出てくるのです。また、せっかくつくっても途中で死んでしまう大腸菌もいます。そうすると、必ずそのおこぼれを頂戴しようというタイプが出てくるのです。何度繰り返しても、能力の高い種だけが残ることはなかったのです。もちろん滅んでしまった種もいましたが、それも必ずしも能力が低かったからとはいえません。

ということは、社会のダニやヤクザや「極悪がんぼ」は進化の必然であってむしろ積極的に共存を考える方がはるかに優れた戦略であり、泥棒は警察機構の一部であって絶滅はならず、むしろほどほどの犯罪にとどめる方向に持っていくのが最適なのだろうか。カネゴンのような役立たずには果たしてどのような積極的な意味が見出せるだろうか。カネゴンの日記の最大のテーマは一貫してこれだったりする。教えて、おじいさん。