内村鑑三の「伝道師の気質」の最後のパラグラフで泣きそうになる。もうカネゴンは青年でも何でもないですが。「神は愚者をもって知者を恥ずかしむ」とあるけど、そういう役回りなのですね。

確かに、牧師や坊主があまりに弁舌爽やかで世渡りがうまいと、自分を預けて見ようという気持ちが醒めてしまう【相談下手なおれカネゴン】。悪の組織の首領が経営の才覚抜群で部下の信頼が厚く、汗水たらして見る間に組織を拡大していくのもどうかと思ってしまうように。かといって不器用だから信頼できるというのもあまりに性急。

一方カネゴンの場合問題なのは、朴訥とか遅鈍とかで済まないあたり。失敗を確実に呼び込むカネゴンは、こっちの世界でも十分危険としか思えない。やっぱり神の国には入れてもらえそうにない。嗚呼【定員オーバーおれカネゴン】。