きちんと調べたことはないですが、映画や小説や聖書で見かける呪いは、ほぼ例外なく呪いの代償を何らかの形で要求される。キャッシュバックや旅行が当たったりかわいいコップがもらえる呪いというのは見たことがない。おそらく、代償を要求されないと呪う人も読者も納得できないからだと思う。行動心理学の実験か何かで、相手が不正を働いて自分の取り分が減らされたとき、それに従うと若干利益が残るが、それにクレームをつけると自分の利益も相手の利益もゼロになるという状況で、ほとんどの人が後者を選択したとかいうのを見たことがある。自分が損をしてでも自分に不利益をもたらす相手をへこませたいという気持ちの方が心のあり方として安定していることを知り、妙に納得してしまった。