今月の日経サイエンス(2003.12)はこの上もなく刺激的で恐ろしい内容。

特集の「脳力増強」は、願望充足に突き動かされて科学者が少しずつ脳の解明と脳機能向上に迫りつつあることが示されている。「道路を拡張するとその分だけ自動車が押し寄せ、いつまでたっても渋滞が解消しない」というパラドックスがあるけれど、脳の機能もある意味似たところがあって、脳の力が倍増しても、その分ぎりぎりまで仕事をさせられることになり、いつまでたっても余裕を得られることはなかったりする【きりきり働けおれカネゴン】。最近のPCのようにげっぷが出るほどハードディスクの容量に余裕が出るようになるまで、この追求が止むことはなさそう。映画「ガタカ」の中心テーマだった遺伝子差別も轟音を立てて準備が整いつつある。最早引き返しようもない境地。瀬名秀明(小説は読んだことないです)の対談もよかった。