どうやら経済学では、ある現象や問題を押さえ込むために打ち出した政策が、それとは逆の効果を生み出すことがしばしばあるらしい。家賃の引き下げを法律で義務付けると住宅供給の質が下がるとか、定年を65才に引き上げると労働条件が悪化するとか。IMFの言うことを聞かなくても経済が回復することがあったりすると、誰の教えを乞えばよいのやら【教えてやるまいおれカネゴン】。

もしかすると経済学は、個別の現象の研究から始まっていつの間にか漢方薬みたいな全体を見る学問になったりすることがあるだろうか。個別の現象を押さえ込むというのはいかにも外科手術や化学療法っぽく、お決まりの副作用が期待されてしまう。体力がなければ「手術は成功したが死んだ」みたいなことにもなりかねない。既に経済学の処方箋はもぐら叩きに近い状態みたいだし。そうやって漢方経済学が完成され、その成果が「あったかくしてよく寝てください」だったりして。

あるいは経済の経絡秘孔を研究する経絡経済学というものが登場するかもしれない。一見無関係に見える各種の経済要素(何と言うことはない町工場とか名もない貧乏学生とか)を経済の達人が刺激すると、どういうわけか全身(経済全体)の状態が改善されたりするとか。もちろん間違えて必殺のツボを刺激し、経済に止めをさすこともありというか、そういう要素がないとカネゴン安心できません【かわいそうとはおれカネゴン】。