CATVで「アヴァロン」という映画が流れていたので、終り近かったけど見てしまう【TVっ子とはおれカネゴン】。登場人物は何やらスラブ系統の言葉をしゃべっていたけど、映像と音楽がとてもきれい。実写なのにまるで日本のアニメみたいな映像運びと、意味がありそうでないおなじみのセリフ回しで、ものすごく妙な感じ。背景の映像の色が、セル画を塗ったように単調なせいもあるかもしれない(おそらくあえてそういう処理をしているのでは)。エンディングクレジットを見ると「Director: Mamoru Oshii」とあってなるほどと思ってしまった。よくそこまで監督の意志を俳優に伝えられたと苦労がしのばれる(そうでもないのかもしれないけど)。

よく「映像や写真はそれを撮影する者の主観が反映される」みたいなことを言われるけど、その最も極端な例かもしれない。貧乏時代の水木しげるは、漫画を描き過ぎて風景や人間がことごとく漫画に見えてしまったことがあるというし。大使閣下の料理人にはあらゆるものが食材に見え、走り屋にはすべての峠道がコースに見え、クリスマスプレゼントに金槌をもらった子供にはすべてのものが釘に見え、小さなミイには子ねずみが大きな猫に見えまするように、アニメウィザードにはすべてがアニメに見えてしまったりするのだろうか。やはりマッハ大明神の先見の明が正しかったと痛感。

少し違うけど、「風の谷のナウシカ」の漫画の方をカネゴンは最後まで読み切れなかった。コマ割りが通常の漫画の文法とかなり違っているせいか、カネゴンにとってはものすごく読みにくかったため。池上遼一がコマ割りしたらもっと読みやすかったかも【苦労を無駄におれカネゴン】。