そのまま続けて、顧客の社員をサンプル抽出して1/10秒単位でカメラで逐一監視し、どこに仕事の無駄があるかを細かく調べ上げて生産性を向上させるというビジネスが紹介されていた。それを請け負っていたのがソフトウェアの巨人で、小さなことからコツコツとというよりビッグブラザーセンス爆発。ちょこまかと落ち着きないことこの上ないカネゴンがサンプリングされたらきっと惨たんたる結果になりそう。

カネゴンの勘違いでなければ、個別のノウハウは別にして、何が生産性を向上させるのかという一般的な解決はどうもないらしい(あったら皆飛びついている)。クルーグマンの本で唯一覚えているのが、生産性の向上はとても重要なのだけど、そのために何をしたらいいのかは本当にわからないらしいということ【そこまで止まりのおれカネゴン】。カネゴン自身は、生産性はいったいどこまで向上してしまうのか、皆はどこまで向上することを当てにしているのかが昔から疑問なのだけど、これまたわからない。10万年に1秒しか狂わない時計が10万年ノンストップで動くわけではないと思うのだけど、皆はどこまでリニアに期待しているのだろう。

手元の資料によると、カネゴンが常日頃こういう使える人になりたかったとあこがれるシュペーアは、軍需大臣就任直後から資材の調達・開発・生産までを一元化し、軍や党の関与を排除して合理的に再編成したことによって生産性を飛躍的に向上させたとある(1942年を100とすると1944年7月には322)。数値の信憑性は知らないけど、生産性というとついこのことを思い出してしまいます。