知っておきたかったこと。こうしている今も笑い空間がざくざくと消費される一方で、これまで無数に繰り返されてきた「若さゆえの過ち」を少しでも軽減するためにポール・グラハムが集積してくれた、若い人向けの本当に役に立つ知恵のかたまり。カネゴンとしては妖精現実さんの文章とともにうらおもて人生録の巻末にぜひ追加したい。書いてあることがもう痛いほどうなずける【心当たりがおれカネゴン】。

  • 今、ぼくは素晴らしい仕事をした人を何人も知っているけれど、みんな同じなんだ。自分を律するということをほとんどしない。延ばせることはぐずぐず先に延ばすし、興味のないことをやらせようとしても全くの無駄だ。(中略)自律心が全くのゼロだったら困るよ。走りに行こうかなと思うくらいの自律心は必要だ。ぼくも時々、走るのが面倒だなあと思うけれど、一度走り出せばあとは楽しめる。(中略)ひとたび仕事を始めれば、興味の方に圧倒されて、自律心は必要なくなるんだ。
  • 偉大な数学者のG. H. ハーディは、高校の時は数学が嫌いだったと言っている。ただ他の生徒より高い点数をとれたから選択しただけだったと。後になって、彼は数学が面白いということに気づいた。質問に正しく答えることのかわりに、自分で問題を見つけるようになってからね。
  • 悪いモデルに気をつけよう。特に怠けることを肯定するようなものにね。ぼくは高校生の時に、有名作家がやっているような「実存主義的」短篇小説をいくつか書いたことがある。そういうものっていうのは、読んで面白い小説を書くよりも、たぶん簡単だ。これは危険信号なんだ。そのことを知っているべきだった。実際、ぼくが書いたものはどれも退屈だった。ただ、有名作家みたいに知的で厳粛なものを書くっていうことがすごいことに思えてただけだったんだ。
  • じゃあどうしようかね。ひとつ、やっちゃいけないのは反抗だ。ぼくは反抗した。それは間違いだった。ぼくは、自分達の置かれた状況をはっきり認識していなかったけど、なにか臭いものを感じていた。だから全部投げ出したんだ。世界がクソなら、どうなろうと知ったことか、ってね。
  • 賢い人々と、難しい問題を探すことだ。賢い人々は自分達で固まりがちだ。そういう集団を見つけたら、たぶんそれに参加する価値はある。但し、そういう集団を見つけることは簡単じゃない。ごまかしがたくさんあるからだ。