いろいろあって、近所でやっていたマリンバコンサートを見る。マリンバとシロフォンの違いをこの年になって初めて知った。
マリンバは持続音が出ないので、奏者はトリルで持続音を擬似的に表現していることに気付き、そのことが面白くなる。トリルの音量とトリルの速度をそれぞれ変化させるだけで、一種バイオリンにも似たニュアンスまで表現していた。本来パルスなのでバイオリンとは似ても似つかないはずなのだけど、耳か脳のどちらかが勝手に音を積分しているせいで、エンベロープローパスフィルタをかけたような滑らかなニュアンスが生まれる。これはパルスだという認識とこれは積分されたものだという認識が頭の中で衝突するのが楽しかった【曲はお留守のおれカネゴン】。

こういう「認識二重写しごっこ」または「認識ずらしごっこ」は何物にも代え難い快感だったりする。ただしあまたのドラッグと同じく、慣れによって効きが悪くなるので、その味を求めて次から次に新たな認識転覆の対象を求めてしまったりもすることのないよう注意【安いジャンキーおれカネゴン】。