今にして思うと、宇崎竜童の曲は、あれほど流行ったにもかかわらず極めつけに風変わりだった気がする。何というか、ジャズやフォークやロック(特にビートルズ)やラテンなどとのつながりがとても薄く、そういう音楽をありがたいと思ったことが一度もないのではないかとカネゴン夢想してしまう。今時のたいていの音楽は、それを聴けば作曲家がどんな音楽を尊敬しているのかが何となくわかるものだけど、宇崎竜童の場合それが何なのかが皆目見当がつかず、謎は深まるばかり。逆にこの作風を他人が真似ることはほぼ不可能なぐらいオリジナリティが凄いということなのだけど。