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性犯罪者から住人を守る。
ビッグブラザー云々とかわかりきった話はともかく、最近のご近所さんは自分たちにさまざまな不便やプライバシー上のリスクを強いてまで性犯罪者に仕返しをせずにはいられないことを痛感。先日書いたサルの話といい、人間にとっての秩序と論理の一番根底にあるのは実は「仕返し」だとしたらどうしよう。
よい(と自分にとって思える)人によい報いがあり、悪い(と自分にとって思える)人にそれなりの報いがあるところを目撃すると人の心は極めて安らかになる。逆に、よい(と自分にとって思える)人が理不尽な目に遭い、悪い(と自分にとって思える)人が世にはばかるところを目撃すると人の心は不安に陥り、どうしようもない不合理を感じてしまう。例の「善知鳥」が強い印象を残すのも、「殺生は悪」という言明が一貫しているというまさにそのことによって善人が惨い目に遭うというシステマチックな問題を目の当たりにしてしまうからなのかもしれない。
ここのところは想像なのだけど、法律とか社会の仕組みみたいなものは、こういう仕返しまたは因果応報オリエンテッドな人の心に沿うことを最大の目的として日々修正を繰り返しパッチを当てまくっているような気がする。だからこそ、ご近所さんが意趣返しに燃えるというのは、パッチのリリースが遅れているというか法律が人心から逸れているということなのかもしれない。ところで復讐譚はいつの世も人気が高い【逸れて逸れぬくおれカネゴン】。