マンガ黄金時代」という、辛気臭いマンガばかり集めた文庫本のあとがきで【陰気を好むおれカネゴン】、赤瀬川原平がおおよそこんなことを書いていた。

ぼくはたまたま「ガロ」ばかり読んでしまったので、手塚治虫の「COM」の方はほとんど知らない。自動車におけるトヨタと日産、カメラにおけるオリンパスとキャノンのように、たまたま一方を使い出すとそればかりになってしまうというのは、ある。

それで言うと、カネゴンが読みつけたエッセイは、赤瀬川原平/みうらじゅん/遠藤諭/小田嶋隆/色川武大/中野貴雄/松田洋子/長谷川町子方面に偏っていて、山田風太郎/中島らも/ナンシー関方面をほとんど知らない。いつでも読めそうな気がすると、つい後回しにしてしまいがちになる【今後もきっとおれカネゴン】。