同時に買った、みなもと太郎ハムレット―みなもと太郎の世界名作劇場 (レジェンドコミックシリーズ (9))」の解説にあった興味深い記述(記憶より):

セルバンテスドン・キホーテ」は、実はものすごいギャグ小説だった。
この本が出版された当時、とある国の王様が国内を視察中、本を読んで笑い転げている農夫を見かける。王様は部下に「あの者が読んでいる本はいったい何であろうかの」と尋ねると「陛下、お畏れながら、あれは「ドン・キホーテ」ではないかと推測いたしまする」と答え、確かめてみるとそのとおりだった、という逸話が残っているほど。
この当時には娯楽小説などというものはまったくなく(シェークスピアと同じ時代)、あったのは騎士道文学(日本の武士道ものみたいな感じだろうか)のみ。そしてそもそも「ドン・キホーテ」の主人公ドン・キホーテは、騎士道文学を読んで感激し、そこに書いてある騎士の生き様を「ちょっとも変えずに実践せむ」として孤軍奮闘するも、やればやるほどとんちんかんになっていくというのが主な筋立てだったりする。
なので、当時の騎士道文学の文体や語り口を知らないと、この本のどのあたりが笑いのポイントなのかがまったくわからないのだそうだ。

漫画の方も大傑作。