車中で読んだ本の中に、北野武余生 北野武」があった。同書は北野武の薄ら寒い人生観に満ち満ちたロングインタビューで、大昔のロッキングオン松村雄策が「たけしには死の匂いがする」と漫才ブームの頃にずばりと見通したことを今頃になって裏付ける内容。
気になったのは、北野武が実は「ディスカバリーチャンネル」のような番組が大好きで、科学をギャグにする番組企画を何度も出していながら、TV局関係者にまったく理解されず、「ぼく科学のことよくわかんないから」という口調ですべて没にされたという記述。殊能さんだったか最上さんのどちらかが以前、文系と称する人たち(確か小説家)が科学についてこれっぽっちも理解を示そうとしないことについて心底がっくりしたと書いていたことがあったのを思い出す【理解と言えぬおれカネゴン】。

北野武は本質的にデストラクタであり、コンストラクタではないことを一方的に確信。普通の人が無意識に大事にしていることを大事にしないし、したくてもできない。カネゴンは正直、この人に近寄りたくない。