糸井重里と坂本龍一の対談に、2年もかけて自分の音楽の嗜好を変えた話があり、あっと思う。カネゴンも実は何度となく自分の音楽の趣味を無理やり変えたことがあった【数段落ちるおれカネゴン】。
一度目はテクノとオルタナと合唱曲しか知らなかった頃。当時の髪の長いロックはツェッペリンもフロイドもRCもカネゴンにとって前近代的な滅び行く運命の気の毒な音楽にしか思えなかったのを無理やり聴き込んで、案外広がりのある世界なのだということを後付けで知る【腐れた耳のおれカネゴン】。そうなったきっかけについてはたぶんこの日記には書かない。
二度目はジャズを知ったとき。当時のカネゴンにはジャズは指が忙しい割りに何ともパンチのない、年寄りの繰言のように前に進まない、リスナーが知識をひけらかす姿が見るに耐えない、プレイヤーが自分の格好悪さにまったく気付いていない、新しい曲にいたっては歌心ゼロの音楽にしか思えなかったのを無理やり聴き込んで、これもそれなりに広がりのある世界だということを後から知る【根性曲がりのおれカネゴン】。
ただ一貫して、カネゴンはライブというものをほとんど見に行っていないことにたった今気付く【今後も行かぬおれカネゴン】。