三浦先生の「論理パラドクス―論証力を磨く99問」に「投票のパラドクス」(およびそれと同等の「アンスコムのパラドクス」)というものが紹介されていた。
大雑把に言うと、民主主義の定番である「過半数での可決」という手法には本質的な欠陥があるとのことらしい。(単純な投票ではなく)複数の項目を絡めた投票を行うと、投票結果がどういうわけか多数派の意見を反映しないことがしばしばあるのだそうだ【書いて写すはおれカネゴン】。

○は賛成、×は反対を表す。A〜Yは投票者。A〜Cが多数派、XとYが少数派。

/ 提案1 提案2 提案3
A ×
B × × ×
C ×
X ×
Y ×
決定内容 ×

XとYは全体としては少数派であるにもかかわらず、決定内容はXとYの望みどおりになっている。多数派のA〜Cの意見はほとんどまたはまったく反映されていない。

過半数ではなく「四分の三以上の投票」とすることでこの問題を回避できることまで既にわかっているとのこと。
カネゴンの知る限り学校でそういうことを学んだ覚えがないのだけど、このことはすべての人が知っておかないとかなりまずいような気がするのは実はカネゴンだけが知らなかったりするからなのでしょうか【夕焼け空とおれカネゴン】。
あと上の例では、A〜Cは多数派のくせに意見を揃えていないのだから負けても仕方がない、というふうに読まれてしまいそうな気がするのだけど、また何か、まずいことを書いてしまっただろうか。