終電車の向かいの席に、自分そっくりの人物が座っていて内心腰を抜かす【ドッペルゲンゲルおれカネゴン】。半年ぐらい前の、髪伸ばし放題だった頃の自分。眼鏡が黒ぶちでスーツに黒いコートをはおっているのだけど、眠りこけるその姿、わずかな動作からうかがえる物腰、そして顔は自分であると即座に確信。ご丁寧にも、相手の鼻の先には小さなほくろがあってカネゴンと区別できるようになっていた。このほくろがなかったら、彼がカネゴンの代わりに家に帰っても誰も気付かないかもしれない。やがてカネゴンの最寄り駅の2つ手前で相手は下車。